○ 北海道の水彩画
~みづゑを愛した画家たち
会場:北海道立近代美術館・常設展示室
中央区北1条西17丁目
電話(011)644-6881
会期:2008年4月26日(土)~6月8日(日)
時間:9:30~17:00 (入館は16:30まで)
休み:月曜日(5月5日は開館)、5月7日(水)
料金:(当日券)一般1000円 高大生600円 小中生300円
主催:当館 北海道新聞社
協力・JR北海道
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なぜ今水彩画なのかは分からない。
北海道絵画の黎明を告げるのが、現・北海道大学(東北帝国大学農科大学)の黒百合会だといわれる。それは教官でもあった文学者・有島武郎が中心になって創立した北海道初の美術団体であった。その創立年が明治41年・1908年で、今年が丁度100年目にあたる。おそらくそれを意識しての水彩画展であろう。水彩画の初期から今日までを鳥瞰しようというものだ。実際、黒百合会の初期の作品は水彩画が大半だとのことだ。
水彩画も西洋画の一つだ。油彩画と同時に日本に紹介された。だから、洋画といえば水彩画も入るのだが、良いことか悪いことか水彩に「洋画」のイメージを伴わない。水彩が手軽に手に入り、扱いも親しんでいることや、何より学校で美術といえば水彩だから、あらたまって「洋画」とは感じにくい。「洋画」は学校でも習った。しかし、実践美術ではなくて「ゴッホ」であり「ルノアール」とい画家であり、知識の対称でもあった。
水彩画には当然その独自性がある。だが、日本水彩史を考えた時、油彩との絡みで随分と画家自身の悩ましい歴史がある。「水彩であれ何であれ、絵として『良い絵』を開いていくことが全てだ。水彩画があるかないかではない、良い絵かどうかだけである。」等々、水彩画家自身の言葉を読むことがある。真摯な言葉だ。真摯ではあるが、水彩画家の悩みが凝縮された言葉でもある。特にベテラン画家に多いだろう。
アクリル絵画。水溶性故に水彩と同列に扱われる場合がある。見た目には油彩と判断がつきかねる。また、一つの絵の中に油彩・水彩と混ぜて使う場合もある。見る立場から言えば、水彩がどうのこうのと言っても仕方がない。良い絵に出合った時には画材は影に隠れている。何故「良い絵なのだろうか?」という探求の始まりと同時に水彩の秘密に迫ろうとするものだ。
そうはいっても画材の制約は表現方法にも制約を与えるだろう。美術館でのまとまった展示ゆえに「水彩の何たるか」が知識としておぼろげに浮かび上がってくるかもしれない。
右の写真は2003年9月6日~10月26日に三岸好太郎美術館で催された「北海道の水彩画」展の図録です。14作家47点の紹介です(三岸は省略)。企画展に力を入れたのでしょう、この美術館にしてはボリュームのある図録だ。佐藤美由紀学芸員の分かり易い概説もあります。今展は道立近代美術館での同名での展覧会でもあります。より以上のものを期待しています。
既に始まっています。まだ見に行っていません。来月の8日までです。