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2008年 08月 18日

⇒企画・写真展) 岩佐ビル2F 「アフンルパル展 露口啓二・写真展」 8月11日(月)~8月18日(月)

⇒企画・写真展) 岩佐ビル2F 「アフンルパル展 露口啓二・写真展」 8月11日(月)~8月18日(月)_f0142432_1143416.jpg○ アフンルパル(ahun-ru-par)展
    露口啓二・写真展

 会場:中央区北3条東5丁目5・岩佐ビル2F
     電話→フレメン写真製作所(011)281-5805
 会期:2008年8月11日(月)~8月18日(月)
 時間:11:00頃~17:00頃 

 問合せ:書肆(しょし)吉成 (080)1860-1085
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・15)

 露口啓二さんは今春の「札幌美術展」(市民ぎゃらりー)に出品していました。
 かつてのコトニ水系の跡地の写真展でした。「川ーアイヌ語ー被写体としての現在の川跡」というテーマでした。

 昔、札幌には湧き水(伏流水)による泉や池が沢山存在していて、そこをアイヌはメムと呼んでいました。今の大通公園から北海道大学の間の低い窪地です。
 メムを源として川が生まれ、その水系全体の川の名がコトニです。そのあたりの地名もコトニになるわけです。
 コトニ、ホンコトニ、シンノシケコトニ、チェフツベツ、シャクシコトニ・・全ては無くなった。その川跡は開発により往時を偲ぶよすがも少ない。
 (現・琴似川はコトニ水系とは水源を異にしていますが合流していて、その合流点以北はかつてもコトニ川と呼ばれて、今もその川筋は琴似川として確認できます。「琴似」という地名も移動しました。厳密には琴似川とコトニ水系とは別の存在ですが、異母兄弟として関わっていきましょう。)
 
 市街地と化した何の変哲も無い場所を撮影者は無感動にシャッターを押す、そのスナップ写真の集合、「ミズノミチ」・展の撮影者が露口啓二さんです。
 写真は全然感動的ではありません。説明文が添えていなければ、殺風景な心象写真と思われることでしょう。
 もし総合タイトルに、「旧コトニ水系」という6文字だけでもあればどうでしょう?鑑賞者の知識と想像力の程度で、写真の「意味」はある程度伝わるかもしれません。
 ですが、会場には川の説明に多くの言葉を費やしていました。博物誌的写真展という要素が強かった。作家は「この写真展で勉強して下さい。川を、アイヌ語を、札幌を、川が無くなるということを考えて下さい」と、言っているようでした。
 写真は無味乾燥な近代的都会の一齣でしかなかった。写真表現の一つであることには間違いないが、感性よりも知性に訴える殺伐とした写真であった。


 「アフルンパル」:「ahun-ru-par (地下の世界に)入る・道の・口」

 (参考書:「北海道の地名」・山田秀三 著。)

  ~~~~~~~~~

 「書肆吉成」は通信販売専門の古書店です。
 「アフンルパル通信 ex.1 『特集:露口啓二』」発行
   発行日:2008年8月11日
   限定価格:1000円(各種おまけ付き)、限定150部

 会場には上記の冊子も販売しているでしょう。

by eitu | 2008-08-18 10:34 |


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