
○ 画家達のパリ
会場:市立小樽美術館
小樽市色内1丁目9番5号
(小樽駅を5分ほど運河方面に。向かいが旧日銀。)
電話(0134)34-0035
会期:2009年5月23日(土)~7月20日(月祝)
休み:月曜日(定休日。7・20のぞく。)
時間:9:30~17:00
料金:一般・1000円 高校生・市内高齢者・500円 中学生以下・無料
(文学館との共通 一般・500円)

【展示作家】
長谷川昇 小野寺健吉 工藤三郎 他、外国作家
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エコール・ド・パリ時代に、小樽から渡仏した3人の洋画家(長谷川昇 小野寺健吉 工藤三郎)達の紹介。
彼等を第一部として、第二部は当時パリで活躍していた作家達。彼等の作品を主に近代美術館から借用しての展示のようです。
第二部は日頃近美で見ているのでそれほど興味はありません。小樽の作家達を中心にして見に行きたい。
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長谷川昇 (1986~1973年、享年85歳)。 渡仏時期、1911~15年、1921~22年。
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小野寺健吉(1887~1977年、享年91歳)。 〃 1922~23年、1927~28年。
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工藤三郎 (1888~1932年、享年45歳)。 〃 1920~23年。
彼らは塗炭の苦しみの中で洋行したわけではないようです。最盛期の小樽で裕福な過程で生まれ育ち、相前後して共に東京美術学校(現東京芸大)に通い、憧れのフランスに旅立ったのです。文学的ロマンあるいは都会の文化人としてのセンスの持ち主であっても、日本の最果ての土地の出自からくる田舎性とお金に苦しんだことのない楽天性を思う。そういう認識は彼等の絵を詳しく知らない風土に対する予備知識に過ぎません。作品を通して彼等の世界に入っていきたいと思います。
今回は料金が高めです。いつものように300円気分で行くと入り口で戸惑うことでしょう。気をつけて下さい。
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今展主役の画家達を育んだ大正末期前後が小樽の最盛期といわれます。札幌あっての小樽の繁栄ですが、その頃は札幌以上の盛り場だったかもしれません。港町ですから外の空気も充分に吸収していたでしょう。一方、小樽のプライドの高さは今でも時折り耳にします。政経文化界を中心にしたプライドの高さはその時期までに形成されたのでしょう。
その後ニシンも獲れなくなった。石炭輸送の中継地だったが、石炭に支えられた製鉄業はより良港で広い空間のある室蘭に行っている。製紙業、漁業とすでに小樽は蚊帳の外だった。小樽の繁栄は日本が日本海中心から太平洋中心へと移行する時代の狭間の出来事だったのでしょう。これといって独自の産業を生むことはなくて札幌への海の玄関口としてのみ生き残った、それは言い過ぎでしょうか。江戸時代に江差が栄えて、明治以降にだんだんと顧みられなくなったのと似た現象です。
あの坂道は画家の目を楽しませてくれますが、狭い空間の象徴のようなものです。後背地に広がりが無かったのが、致命的だった。歴史を誇る個性ある街として再生するほかは無いのですが、一度生まれたプライドはなかなか捨て難いものです。今目指している観光都市ですら札幌なくしては考えられない構想です。高きプライドから等身大のプライド、小樽の再生は過去を財産としながらも今を正直に見つめるしかないのでしょう。