○
札幌美術展
さっぽろ・昭和30年代
ー美術評論家なかがわ・つかさ が見た熱き時代ー
会場:札幌芸術の森美術館
札幌市南区芸術の森2丁目75番地
電話(011)591-0090
会期:2010年10月30日(土)~1月30日(日)
休み:11月8日以降の月曜日、12月29日~1月3日
時間:9:45~17:00
料金:一般・700円 高大生・350円 小中学生・150円
主催:当館(札幌市芸術文化財団)北海道新聞社
ーーーーーーーーーーーー(12.24)
昭和30年代の札幌美術、そこで作家やグループ、団体を熱く語った男がいた。なかがわ・つかさ だ。木田金次郎との縁がもとで来道し、結局はそのまま道内に居座り、新聞に雑誌にと文筆を奮い、わずか10年余りの活動で世を去った。
昭和4年茨城県に生まれ当地で育つ。早稲田大学に学び昭和27年、24歳時に来道。昭和38年、脳溢血により札幌・幌東病院にて逝去。享年35歳。
昭和29年5月14日・北海タイムス紙にて「北彩会美術展評」(於・大丸ギャラリー)を皮切りに、380点以上の美術評を執筆。晩年は氏が創刊した美術雑誌「美術北海道」を中心に言論および美術活動を展開した。
今展はなかがわ・つかさ の展評とその作品を紹介しながら、同時に昭和30年代札幌の美術グループや公募団体の動きを垣間見るものです。当然、その頃の絵画を見るわけです。絵画作品には、かなりの量の氏の評論文も添えられている。真面目に全部の文章を読みながらの作品鑑賞は、相当な時間と労力を使うでしょう。少し面倒と思う方は図録(2000円)を薦めます。全出品作品と会場での全文章が掲載されていて、しかも全展評の目録ありと詳細を究めています。何かにつけ、その頃の道内の美術史や社会動向の参考になるでしょう。
いささか地味でマニアックな展覧会です。が、まとまって昭和30年代の代表作をまとまってみれるのです。当時の画家達の求めていたもの、現在との違い、そして、現在も活躍されている作家の作品もあるので、彼等の動向が過去と現在をつなぐ役割も果たしているでしょう。