
○ 吉村作治の早大エジプト発掘40年展
(HBCテレビ開局50周年記念)
会場:北海道立近代美術館
北1西17 電話(011)644-6881
会期:2008年2月19日(火)~3月23日(日)
時間:9:30~17:00 (入館は16:30まで)
休み:基本的に月曜日
料金:一般1300円 高大生900円 小中生500円
監修:吉村作治
主催:HBC北海道放送 北海道新聞社 早稲田大学エジプト学研究所
特別協賛:ニトリ
協力:ANA 早稲田大学札幌校友会 札幌グランドホテル 札幌プリンスホテル ㈳北海道美術館協力会
企画制作:RKB毎日放送局
今や日本のエジプト学と言えば吉村作治の名前がすぐに頭をよぎる。彼はエジプト研究のための資金集めとして、タレントが顔負けするくらい沢山の放送番組に出演したりもした。今もしていると言ってもいいかもしれない。電波から流れてくる彼の稼ぎ振りを見て、「エジプト学は儲かるものだなー」と思ったものだ。
エジプトの発掘品は多くヨーロッパにもたらされた。発掘主体がヨーロッパ人ということや、エジプトとヨーロッパの力関係、エジプト人の遺跡に対する認識、ヨーロッパ人の資金力などといろいろと考えられる。形の上ではエジプト政府は返還を求めているが実現の見込みは皆無に近い。
パンフによると吉村作治率いる早稲田大学調査隊は、出土品の現地での保存・研究という方法論を確立させたとのことだ。長年の早稲田隊の現地での努力がエジプトとの信頼関係をはぐくみ、エジプト政府の特別の協力により早稲田隊発掘品の借り受けとなり、この展覧会が実現した。日本で初めて公開されるとのことだ。
パンフが謳う必見展示物の鑑賞も大事なことであろう。例えば、「2006年1月5日に発掘された青いミイラマスクと彩色箱型木棺」など。チグリス・ユーフラテス文明発祥地と隣接し、連綿と歴史をつづるエジプト王朝史の何たるかを、それらは私たちに考えさせるだろう。だが、出土品の美的なあるいは歴史的考察とは違った、発掘に関するドラマを考えることも興味深い。
それにしても、日本とエジプト、何と離れているのだろう。そんなに遠い処なのに日本人が40年間も営々と学術調査をしているのだ。彼らの評価は「エジプト学」という一領域に止まらないであろう。歴史に関心のある者にとっては一大痛快時である。
今展が関係者にどれだけ物理的支援になるかは知らない。更なる研究の深化を期待している。一層のエジプトと日本の橋渡しになってもらいたい。