
○ 企画展 加藤多一と北の風景
馬たちがいた
会場:北海道立文学館 特別展示室
中央区中島公園1番4号 (地下鉄・中島公園駅から中島公園へ、中島公園内を池の左側を5分も歩けばすぐにわかります。立派な目立つ建物です。)
電話(011)511-7655
日時:2008年4月26日(土)~6月15日(日)
休み:月曜日が定休日(5・5を除く)、5・7
料金:一般400円 高大生200円
主催:当館 (財)北海道文学館
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最近のここの文学館は絵画など、ビジュアル面に力を入れた展示をしているようです。昨年に一度だけしか行ったことが無いのですが、その展示に驚きました。文学館=活字紹介というイメージの脱皮を図っているようです。
さて今展、僕は加藤多一のことは全然知らないのです。知らないことは恥ずかしいことではないのですが、「案内版」に載せることには申し訳なさを感じます。生まれ変わろうとしている文学館を注目しているということで、極々一般的な言葉をならべます。(パンフを参照)
1934年北海道滝上町出身。北海道を舞台にした物語・絵本・エッセイなど幅広い世代に向けた著作を発表。「激しい北の自然の中で生き抜く登場人物の心情を通して、作者の愛と憎しみをあわせもつ北海道への強い執着が伝わってきます」
今展では「馬」を題材にした作品にスポットを当てて、文学世界を原画とあわせて展示する。
「原野にとぶ橇(そり)」・佐藤忠良絵、「馬を洗って」・池田良二版画、「ホシコー星を持つ馬」・早川重章、「はるふぶき」・小林豊絵、これら4作品を中心に展示する。
ところで、昨日道新夕刊に「季評 美術・1~3月・久米淳之(あつし・道立近代美術館主任学芸員)」という記事があった。そこにここの催しを「開催が新鮮」と簡単ではあるが褒める文章があった。よほど催しが良かったとみえて写真も掲載していた。現代美術展「雪と風の器」と紹介していた。
どこかでパンフを一度見たような気がするが、ほとんど知らないで終わった展覧会であった。ここのH.P.で調べみると、この展覧会は完全な貸館で当館は協力・後援など一切関係ないような紹介だ。帯広のデメテール関係のイベントで、アサヒ・ビールが資金援助して全国的な催しのようだった。見れなくて残念だった。
問題は久米氏の紹介の仕方だ。嘘は無いが決して褒められる紹介ではない。
理由① あたかも当館の企画のような扱いだ。僕は貸館は悪くはないと思っている。諸般の事情を含めて今後は増えると思う。ならばそのことをしっかりと明示して、責任の所在を明確にした展覧会紹介をすべきだと思う。
理由② この展覧会を知らなかった僕の知識を一般化していうのは誤解を生むかもしれない。が、やはり言っておきたい。多くの人が知らなかった展覧会だと思う。そもそも企画者側は美術展という名前で、何故文学館を選んだのだろう?なぜ公共施設での催しなのに宣伝活動が不足したのだろう?展覧会以前にいろんな疑問が湧くが、全てを不問にして久米氏は展覧会のみ褒めている。久米氏が僕のように単なる一般人なら仕方が無いが、同じような施設に働く道の職員である(注意・当館は指定管理者)。嘘のある文章ではないが、正直な文章ではない。
(この季評文には他にも感ずることがあるが、ここはそれを語るには不向きだろう。)