
○ 國松明日香・展
会場:札幌芸術の森美術館
札幌市南区芸術の森2丁目75番地
電話(011)591-0090
会期:2008年10月5日(日)~11月16日(日)
休み:基本的に定休日は月曜日
時間:9:45~17:00
(入館は~16:30まで)
料金:(当日券)一般・700円 高大生・350円 小中生・150円
主催:当館(札幌市芸術文化団) 北海道新聞社 テレビ北海道
協賛:戸田建設
ーーーーーーーーーーーーーーーー(11・13)
見てきました。
道内の処々の公共空間で國松氏の作品を見る機会が多い。僕自身はそれらの造形を研究しているようなステンレスの面と塊はあまり馴染まない。展示順序はそれらが真っ先にある。
その次に、いわゆる「風シリーズ」が続く。面に秘められたリズム感が、鉄の線として自立していく過程だ。重たい鉄を軽くしなやかに目に見えない「風」を表現している。円盤の表面はサンダーでこすって光沢を持たせる。作家はリズミカルにハンディー・サンダーを無心に左右に振っているのだろう。氏自身の自然観が巧に形となって現れている。走風として、水面としての鉄への視点に軽い驚きを感じる。
「風」シリーズで情緒性が強まっていくのだが、展示の最終局面にいたって、今展のクライマックスである大作が2点待ち構えている。いずれも部屋一杯のインスタレーション的なもので、近々の集大成と言って良いだろう。
「カシオペア」、「THE MILKY WAY」だ。いずれも星座にちなんだ名前だ。作品要素の一つ一つが星になり、全体で夜空に輝く星座であれよ、という願いである。
「カシオペア」は完全な円形を作品配置や作品自体に取り入れているのが今までとは質的に異なる表現だ。余りに律儀正しいその円形追求は、僕には少し疲れを覚える。風のファージーさや揺らぎという人間らしさが、完全な美を追求する求道者になっている。
個人的には「銀河」が好きだ。身の丈よりも高く鉄棒が立てられて、その上で国松・円盤が数層になって揺らいでいる。白い部屋での鉄棒の回廊、10mはある通路の両脇を僕らは流れるように見ていくのだ。時折り鉄棒越しに向かいの鑑賞者の姿が目に入る。「あー、この人達も何ともいえない幸福感で作品を仰ぎ見ているのだろうな」、無言で相手に声をかけたくなる。作品の影が床に映る。ぼんやりとした姿で灯篭流しのよう。灰色の影の重なりは鉄棒と付かず離れず回廊を満たしている、鑑賞者の道の伴をしている。
鉄と直線という硬い概念。長年の作家の鉄への愛情と光の助けによって明るい天上を歩いているような気分にさせる。

今週の16日(日曜日)まで。
市内在住の現役作家が美術館をフルに使った展示です。氏はベテランですが、これからの人でもある。長きにわたる高専と、現在の市立大学の教鞭生活から来年で退官されるとのこと。人生の区切り展でもある。
美術館、今後も続々と現役作家を個展として紹介して欲しいものだ。